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熊野参詣道・中辺路の追加登録(田辺市内)

世界遺産「紀伊山地の登場と参詣道」の熊野参詣道・中辺路に、田辺市内の「長尾坂」「潮見峠越」「北郡越」「赤木越」が追加登録されました。

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長尾坂・潮見峠越(ながおざか・しおみとうげごえ)

長尾坂
捻木峠から潮見峠に向かう古道
長尾坂・潮見峠越 ~近世の石畳道と紀伊水道を望む峠~

田辺市郊外の三栖地区から長尾坂・捻木峠を経由して潮見峠に至る道です。
長尾坂はこのルートのうち、上三栖から水呑峠に至る、およそ16町の坂道をさします。長尾坂も潮見峠越も南北朝期に開設されたといわれ、以降、中辺路の主経路として頻繁に利用されました。

長尾坂から潮見峠への古道歩きは、長尾坂登り口からスタートします。坂の途中には和歌山市から21里を表す一里塚があり、近くには役行者像が立っています。長尾坂から潮見峠越の始点である捻木峠に至る道筋には、関所跡や水呑茶屋跡などもあり、一部に残る近世の石畳道が古道らしいたたずまいを見せています。

捻木峠には捻じれた大きな杉があり、「安珍・清姫物語」では、清姫がこの木に登り、自分から逃げる安珍を見つけ、口惜しさのあまり木を捻ったとの伝説も残っています。

捻木峠・潮見峠からは、田辺市街や田辺湾、白浜の街まで望む爽快な景色を楽しめます。また、長尾坂周辺には梅畑やミカン畑が広がり、2~3月の梅の花の季節には観梅を楽しむこともできます。


北郡越(ほくそぎごえ)

北郡越の古道
北郡越の古道
北郡越 ~みそぎの川・富田川沿いに延びる古道~

「熊野古道中辺路」のうち、鮎川から富田川沿いに現在の中辺路町北郡を経て滝尻王子に至る道です。
10世紀前半から13世紀にかけての皇族・貴族の参詣には頻繁に使われましたが、15世紀以降は潮見峠越が主経路となり、江戸時代にはすでに「古道」の名で呼ばれていました。

国道沿いに石碑のみを残す鮎川王子跡からスタートします。鮎川新橋を渡り、富田川左岸の道を北へ向かいます。富田川はかつて熊野詣の人々が水垢離した川で岩田川とも呼ばれていました。道沿いには、庚申塔や道祖神など江戸時代の石造物が多く残り、石畳の痕跡を留める道もあります。
富田川を離れて山中を進み、峠からは富田川を眼下にしながら北郡集落へと下ります。北郡橋から富田川右岸へと渡ると、道沿いに『安珍清姫』物語の主人公清姫の墓と伝わる石塔が立っています。さらに進むと、熊野の聖域の入り口とされる滝尻王子に着きます。


赤木越

鍋割地蔵
尾根沿いの古道
赤木越 ~「湯之峯道」と呼ばれた尾根道の古道~

三越峠から尾根道を辿って湯の峰温泉に至る古道です。古代や中世には、熊野本宮大社に参拝したあと湯の峰温泉に入湯するのが通例でしたが、近世になって湯垢離をしてから熊野本宮大社に参拝するのが一般化すると、赤木越が頻繁に使われるようになりました。

熊野本宮大社の神域の入口とされる発心門王子を出発し、まず熊野本宮大社の奥の宮にあたるといわれる船玉神社を目指します。赤木越分岐は船玉神社のすぐそばです。ここからは、標高150mを一気に登りますが、あとは山々を見晴らす尾根筋や尾根頂上部をたどる、比較的アップダウンのゆるやかで快適な道が続きます。道の周囲をスギ・ヒノキやアカマツ・シイ・カシ林が包み、一遍上人にまつわる伝説の鍋割地蔵や弘法大師を祀る祠、柿原茶屋跡などがあり、往時を偲びながらの古道ウォークが楽しめます。地獄坂と呼ばれる急な石畳道を下ると一遍上人磨崖名号碑があり、湯の峰温泉は目の前です。


その他熊野参詣道・中辺路の追加登録