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稲葉根王子~滝尻王子

熊野古道中辺路 北郡越の古道
北郡(ほくそぎ)越の古道

稲葉根王子前の岩田川(富田川)付近は、熊野の霊域に入る前の重要な水垢離場とされ、この王子から川で水垢離を取り対岸の一ノ瀬王子へ渡ったと伝えられています。
清流・富田川沿いの道をたどる爽やかなコースで、滝尻王子までは約12kmの距離がありますが平坦な車道がほとんどです。
しかし車道ばかりではなく、コースの一部「のごし橋」から「北郡(ほくそぎ)」までの間は、世界遺産にも登録された「北郡越」の川沿いの気持ちの良い古道が残ります。

稲葉根王子~滝尻王子コースの位置

歩行距離:12.3km 歩行時間:3時間30分 所要時間:4時間40分
最低標高:約28m(稲葉根王子) 最高標高:約138m(北郡越)
※上記の距離・時間は、稲葉根王子から市ノ瀬橋・加茂橋経由の場合です。
下記「街道マップ」のなかの「興禅寺(だるま寺)」を経由するコースの場合、約1時間余分にかかります。

コース紹介

田辺市街地からのコースと同じく、軽装備でも歩くことができます。
稲葉根王子付近にはスーパーマーケット、コンビニエンスストアもあり、その先の沿道も一部を除いてお店などが点在するので、飲料・食料の調達は簡単です。途中で食事を取る場合、鮎川王子付近の飲食店、清姫茶屋などで可能です。
帰りは滝尻王子からバスとなりますので、到着したらバス時刻をチェックし、余裕があれば熊野古道館へも立ち寄ってみて下さい。

稲葉根王子

稲葉根王子は熊野街道中辺路の重要な水垢離場とされた岩田川(富田川)の渡渉地点に近く、 熊野九十九王子の中でも社格の高い准五体王子でした。 この王子から川で水垢離を取り対岸の一ノ瀬王子へ渡ったと伝えられています。

熊野古道中辺路 稲葉根王子

稲葉根王子からは少し下流に向かって潜水橋(畑山橋)を渡り、興禅寺(だるま寺)に向かうコースもあります。
一瀬王子に向かうには、国道311号線沿いを市ノ瀬橋に向かいます。途中にスーパーやコンビニがあるため、飲料や食料も買うことができます。
市ノ瀬橋を渡ってからも車道を歩きますが、車通りは少なくなり、田園風景を楽しみながら歩けます。

一瀬王子

熊野古道中辺路 一瀬王子

一瀬王子は別名清水王子、伊野王子と呼ばれていました。建仁元年(1201年)の「熊野御幸記」に「一ノ瀬王子」と記されています。
一瀬王子の名は、熊野詣の垢離場であった一ノ瀬に由来します。「一ノ瀬」とは最初の徒渉地点の川瀬のことで、熊野に入るためのみそぎの地です。
江戸初期すでに王子跡は不明になっていたが、紀州藩の命により調査、判明し、寛文6年(1666年)再興されましたが、明治40年(1906年)春日神社に合祀されました。
現在のは周囲3メートル余の大樟の傍らに小祠が祀られ、一瀬王子の碑が建てられています。

一瀬王子からは、車通りの少ない富田川沿いの車道を歩きます。
加茂橋を渡って国道を渡り、急な舗装路を上がり、再び鮎川の集落に入って鮎川王子に至ります。
または 加茂橋を渡らずに直進し、鮎川王子の対岸に至ることもできます。

鮎川王子

『熊野御幸記』には「次にアイカ王子に参る」とあり、この王子が鮎川王子にあたります。
岩田川(現在の富田川)と愛賀川が合流するところにあったので、「アイカ」とは「愛賀」のこととも、川が合流する「合川」のことであったともいわれています。
明治7年に対岸の住吉神社に合祀され、本殿も移築されました。移築された本殿は、18世紀前期に建立され、古式をよく残しています。

熊野古道中辺路 鮎川王子
鮎川王子
熊野古道中辺路 住吉神社
住吉神社

世界遺産・北郡越へ

住吉神社を過ぎ、川沿いの車道を歩いていきます。「のごし橋」を過ぎるとあぜ道に入り、すぐに川沿いの古道に入ります。

熊野古道中辺路 北郡越の古道

しばらくは川沿いの古道が続きます。一部は熊野参詣道中辺路の一部として、世界遺産に登録されています。

道の駅ふるさとセンター大塔の対岸を過ぎ、国道の橋をくぐったあと、北郡越の小さな峠に差し掛かります。
現在の国道311号線はトンネルとなっていますが、その上を通る古道です。途中、庚申さんや石碑がある古道らしい道です。

熊野古道中辺路 北郡越 川沿いの古道

峠を下ると、「北郡(ほくそぎ)」の集落、国道311号線に出ます。国道を渡り、北郡橋を渡って対岸を遡り、清姫の墓に到着します。
清姫の墓から国道に合流しますが、すぐに「真砂」への登り坂に進みます。
真砂の里を抜け、再び川沿いの国道に合流します。そのまま国道を川沿いに歩けば、滝尻王子に到着です。

滝尻王子

滝尻王子

滝尻王子は富田川と石船川が合流する地点に鎮座します。かつてはこの王子社が熊野三山の霊域のはじまりとされていました。
滝尻王子は、熊野九十九王子社のうち五体王子社にも数えられ、中世に熊野御幸が盛んであった頃には、皇族貴族により奉幣や読経の他、法楽のための里神楽や歌会が盛大に催されました。
平安時代後期には藤原秀衡の寄進により四町歩(1万2千平方メートル)の境内に七堂伽藍が建立されていたといわれています。

滝尻王子の前には休憩所「滝尻茶屋」やお店があり、川向かいには「熊野古道館」があり熊野古道に関するさまざまな展示や観光案内を行っていますので立ち寄ってみましょう。

ウォークマップ

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